文の会ブログ

「本郷東大 文の会(ふみのかい)」のブログです!
http://fuminokai.jp/
<< July 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 終わりよければすべてよし | main |
# 地歩を固める

 「地歩を固める」

 

 「地歩」は「ちほ」と読みます。「ある人が占めている位置や役柄」という意味を表します。「地歩を固める」という言い回しによって「自分の地位や立場を確かなものにする」ということになります。今回、なぜこの言い回しを取り上げたのかといいますと、四月になって学校の新学期が始まる時期に、いつも思い出す「表現」があるからなのです。それは村上春樹さんの小説『ダンス・ダンス・ダンス』に出てきます。

 「一週問が過ぎた。春が地歩を固め、確実に前進していく一週間だった。春は一度も後戻りしなかった。三月とは全然違うのだ。」

 「春が自分の地位を確かなものにしていく」というニュアンスが、なんともいえず好きなのです(笑)。今年の冬から春にかけての時期は、状況が状況でしたので重苦しいものがありました。季節の変化といっても「外出自粛」の最中では、直接的に感じられるものがありませんでしたからね。そんな中でも「春が地歩を固め、確実に前進していく」ということと「春は一度も後戻りしなかった」ということは、信じることのできる確かなこととして、我われに希望を与えてくれたように思います。『ペスト』の医師の言葉を借りれば「春は誠実に、その職務を果たしてくれた」ということでしょう。後戻りはありませんからね。前進していくのです。自分にできることを誠実に手がけていきましょう。「地歩を固める」のです。

 学校が休みになってしまった自宅での勉強は、不安にかられることもあるでしょう。つい「授業があったら」と考えてしまうと思います。でも、自分でできることに目を向けましょう。授業と違ってもいいのですよ。自由に自分の興味関心を広げることが許されているのですから。お勧めしたように古典にチャレンジするのもいいでしょう。弱点のある科目があれば、じっくりと鍛えなおすこともできますね。得意な科目があれば、どんどんと深く追究することもできますよ。

 近代科学の創始者ともいわれるアイザック・ニュートンはご存知でしょうか。力学、数学、光学の三つの分野で打ち立てられた「三大業績」で有名です。1643年に英国で生まれたニュートンは1661年にケンブリッジ大学に入学しました。ところがその学生時代にロンドンではペストが流行し、ケンブリッジ大学も休校となったのでした。ペストを避けて1655年から1656年の間、ニュートンは実家のある故郷に戻っています。そこで過ごした18カ月はゆとりをもって思索する時間にあてられることになったのです。リンゴが落ちるのを見て万有引力の法則に気づいたという有名な伝説は、このタイミングで生まれたのですよ。ニュートンの三大業績はすべてこの時期に着想されたといわれています。ニュートン自らこの期間のことを「創造的休暇」と呼んでいますからね。皆さんに与えられたこの時間を有意義に過ごしましょう!地歩を固めるような創造的休暇を過ごしてくださいね!

 

 

 

 

JUGEMテーマ:大学受験

JUGEMテーマ:幼児教育

JUGEMテーマ:中学受験

JUGEMテーマ:受験生

JUGEMテーマ:高校受験

| comments(0) | - | 12:31 | category: つれづれ |
コメント
コメントする